降臨

昨日のカントクのアドバイスを聞いて5時半に副長がエリアに出勤。 もちろんカントクも5時半出勤だ。 フラリーマンは5時40分、アメゴ君が5時45分の出勤。 6時集合の予定でもみんな出てくるのが早い。 まず、無風の中、副長が一発テイクオフ。 さすがじゃ! 次のカントクはキャノピーが上がってこず失敗。 続いてアメゴ君が一発テイクオフ。 カントクもトリムを1/3伸ばして無事テイクオフする。 フラリーマンは最後にテイクオフ。 写真撮影のために、カントクとアメゴ君に副長の近くを飛ぶように指示する。 3機が飛ぶ様子はまるで黄門さまと助さん角さんのようだ。

副長の撮影が終わったところで、気流もすばらしく安定しているので、アメゴ君が行ったことのない大河原牧場の風力発電機を見に行くことにする。 フラリーマンを先頭に高度を上げながら進路を南に向ける。 高野山上空ではフラリーマンは高度900mだったが、アメゴ君とカントクは100m以上低い。 フラリーマンは8600〜8700rpmとフルスロットルから少し戻したところで上昇を行っていたが他の二人はフルスロットルだそうだ。 この上昇率の差は体重差とキャノピーの違いなのだろう。 神山との境にある山の上で高度1200mに達する。 ここで急に暖かくなったうえ突然風景が変わる。 いきなり空は水色から群青色になり、目の前は雲のじゅうたんが広がる。 その美しい雲のじゅうたんから先ほどまでは霞んで見えていた大河原牧場の風力発電機が5基がはっきりと見えてくる。 遥かかなたには和歌山の山々が見え、剣山系は手が届くかのようにくっきりと目に飛び込んでくる。 「うわ〜〜!! これはすごい! これは、すごい!! みんな早よう上がってき〜〜!」とつい無線で騒いでしまう。 数分後、カントクが、その数分後アメゴ君がこの感動の共感者となる。 この風景には神々が降臨している、と思わせるような迫力と神秘さがある。
しばし、この感動に浸っていたが、よくよく風力発電機を見るとぐるぐる元気よく回っているではないか! これはいかん。 山の風が強く、危険だと判断したのでここでエリアに戻ることにする。 ただし降下せずにそのまま上昇を続けながらのUターンだ。 高度1600mでは北東の風が強くなり時速8km。 1400m付近を飛んできるアメゴ君に追い抜かれてしまいその後、全然追いつかない。 ここでアメゴ君から「おしっこ〜〜!!」と連絡が入る。 我慢ができないのでエリアの戻るそうだ。 カントクとフラリーマンはさらに上昇を続けて1850mまで達する。 ここで突然気流が乱れ始める。 あまり危険な揺れではないが今日はこの辺で下降することにする。くるくるっとスパイラルで500mほど高度を落としてから雲海の中に突っ込む。 薄雲の上は気温が8度もあったが、下は気温0度と突然冷え込んでくる。 ここでも高度400mまで連続スパイラルで急降下しエリアに向かう。
エリアは安定した北東の風が吹いており無事着陸する。 後から降りてきたカントクは完璧なランディングだ。 まだ朝一番から飛んできた副長さんも無事着陸。 ここで4人で乾杯!! あ〜〜!! ビールが美味い!! (^o^)/ 
(今日のフライト)
・06:38〜07:53 飛行時間01:15
・本日フライト時間 01:15
トータル499回 412時間45分