高度2200mの絶景

今日も7時にエリア到着! 既に副長が来ていて高度4000mを目指そうと冗談を交わす。 地上の気温は−1℃とめちゃんこ寒い!! しかし、昨日のように気流が荒れることなく無事フラリーマンはテイクオフ。 高度150mほどまではほとんど前に進まないぐらい西風が強い。 しかし、高度を300mまで上げると西に向かって25km/hで全く揺れもない。 気温も4℃と地表より温かく、気を良くしたフラリーマンはこのまま上昇を続ける。 高度700mまで上昇したところで副長も無事テイクオフ。 少し左にキャノピーが傾いたが、無難にそれに合わせて走る方向を変えるあたりは流石うちのエースだ。
ここから上がるに連れて薄水色だった空が次第に青くなっていく。 その様子に見惚れながら寒さを堪えて上昇を続ける。 高度1200mに達したところで突然、南西の方角に真っ白な山の頂が目に飛び込んでくる。 ついに霞を抜けた。 先週の寒波のせいで剣山系は雪を被り、まるで日本アルプスのように美しい!! 更に高度を上げて2000mに達すると空は青から紺色に変わり眼下の霞は雲海のように見え始める。 剣山よりも高く上がったおかげで、その向こう側の山まで顔を出し始め幻想的な景色を見せてくれる。 目を凝らしてみると遥か西の向こうには真っ白な石鎚山系も見えるではないか! 峠の我が家も雪化粧で真っ白になっているのだろう。 これだけ飛んでも鴨島から石鎚山が見えたのはこれで二度目だ。 写真を何枚か撮影するがやはりパラが入らないと物足りない。
ここから更に上昇し2200mに達する。 気温は思ったほど下がらず−4℃付近で安定している。 しかし、西に向いて飛んでいるにもかかわらず西条大橋から段々東に流されているようだ。 上空の西風が強くて時速5〜10kmでバックしている。 副長はまだ高度1200mとのことなので少し高度を下げて副長と合流すると共に、少し風の弱いところで西方向に前進することにする。 副長と無線で連絡を取りながら高度と場所を合わせようとするがなかなか副長が見つからない。 高度1600mまで下がったところでやっと目の前の副長発見! しかし、距離的に2km以上離れているように見える。 まずは、300mm相当の望遠レンズで剣山をバックに副長と写真撮影。 遠距離から望遠で撮影すると山がアップになって迫力が出るからだ。 やはりパラが画面に入ると締まるなぁ♪

何枚か撮影を行ったあと、アクセルを踏んで副長の所までたどり着く事にする。 エンジン回転数は8800rpm付近でキープ。しかしこの回転ではアクセルを踏むと副長の上昇についていけない。 無理を承知で9000rpmまで回転を上げ、アクセルを半踏み状態で高度を稼ぎつつ距離を詰める。 20分ほどでなんとか副長に追いつき、その時の高度は再び2000mを超えた。 ここで、今度は副長をアップにして写真撮影だ。
しかしながら気温−4℃で手袋から手を出しての撮影はキツイ!! ある程度撮影を行なってから、強風のため東の空をまだ見ていない副長に、後ろもきれいだからターンをしたら?と勧めてみる。 ターンを始めた副長から、「うぉ〜〜! ほんとうじゃぁ〜!」と感動の叫び声が無線から帰ってくる。 逆光にきらめく雲海がまるで海のように広がる様は圧巻で、写真では表現のしようがない。 しまったぁ〜〜!! 声をかける前にビデオを用意しておけばよかった・・・。 と思ったがあとの祭りだ。

この軽いターン1回で西条大橋からあっと言う間に高瀬の潜水橋まで飛ばされてしまう。 ここで気持ち的にはもっとこの風景を堪能したいのだが、寒さに体のほうが悲鳴を上げている。
「そろそろ降りましょうか?」と副長に声をかけて高度2000mからスパイラルで1500mまで急降下。 副長も翼端折でついてくる。 さらにもう一度スパイラルに入り高度700mまで降下する。 ここまで降りると風は逆に東風で時速4〜50kmでぐんぐん西に向かって進むことができる。 エリアでは少々風が荒れていたが、痛めた足をかばって無事左足でランディング。  副長もランディング直前に風に揺られたが、憎ったらしいほどうまくロールを抑えてランディング。 エースは違う! (^_^)