山ごもり二日目

明け方、眠りが少し浅くなったところで、フライシートのバラバラという音が耳に入ってくる。 どうも雨が強いようだ、と思いながらまた眠りに付く。 朝になって半分夢を見ながら半分目が覚めたというような状態で1時間ほど過ごす。 これがまた気持ちがいい。 雨を覚悟してテントを開けるとなんと雪ではないか! 霰のような粉雪が積もっている。 昨日の合羽やタオルなども乾くどころかカチンカチンに凍っているではないか。
早速、沢に水を汲みに行ってカップうどんを作る。 飲み過ぎた翌朝、しかも雪がふるほど寒い朝にはうどんが一番! 今日の天気予報は曇のち晴なので、カップうどんを食べたあと、再び寝袋に潜り込んで雪が止むのを待つことにする。 ところが、止むどころか段々雪が強くなって来るではないか!? 起きたときには5cmほどだった積雪も9時過ぎには10cm以上になってしまった。 こりゃいかん! ということで、寝袋から這い出て撤収作業に入る。 10時過ぎ、撤収作業完了。 ザックを担いで帰路に向かう。 いつもは沢沿いの道を歩くのだが、雪が積もっているので山沿いの道を選ぶ。 しかし、少し坂がきついと足が滑る!? 仕方が無いので6爪の簡易アイゼンを靴に取り付けることにする。
さすがはアイゼンだ! 全く不安なく雪道を進むことができる。
1時間ほどでやっとエイプのところまで到着。 ほっとしたところで問題発生!? なんと鍵の入り口が凍ってしまいキーが入らないではないか! 指は冷え切っているため、ほっぺたで鍵を温めて何とかキーを挿入する。 しかし今度はキーが回らない・・・。 持っていたライターでキーを温めて差し込み、また温めて差し込み・・・。 3回目でやっとキーが回ってくれる。 だが、本当の苦労はここからだった。 エンジンが凍って始動しないのだ・・・。 チョークを絞り何度もキックを行う。 積雪でタイヤが滑って押しがけできないためキックしか手がない。 何十回もキックした後、僅かにブルブル〜〜、と点火の兆しが見え始めた。 そこからもう10回ほどでやっとエンジンが始動してくれた♪ やった〜〜!

エイプで林道を半分ほど走ったところで道の雪はなくなり雨となる。 カーブを回ったところで、何か大きな獣がいるではないか! なんと天然記念物のニホンカモシカだ。 距離はたったの3m!? 突然の遭遇にお互い固まってしまう。 ゆっくりと止まってポケットに入れてあったデジカメで激写!! (^o^)  その瞬間、急斜面に向かって逃げて行ってしまった。 今まで何度もカモシカには遭遇したが、これだけアップで写真が撮れたのは初めてだ。

車止めでエイプをステップワゴンに積み込み一路温泉を目指す。 温泉は天気が悪いためかほとんど客がおらずフラリーマンの貸切状態だ。 ここで温泉に浸かってお昼ごはんを食べて、お昼寝してまた温泉。 いや〜〜、今回も素晴らしい山行となった。