船窪ツツジ公園へ

4時45分にエリアに入ると既にカントクがエンジンを下ろして待機している。 さすがじゃ!! 主任もすぐにエリアに到着し、三人で何処に向かうか相談をする。 主任が「船窪ツツジ公園に行きたいけど、副長が『山の中やし心細いぞ!』って言うてました。」とポツリ。 確かに今日の風なら船窪に行けるかもしれない! 何年もチャレンジしてやっと一昨年、見ることができた高度1000mにあるツツジ公園だ。 多分、副長の言葉にビビって主任は付いてこないと思うけれど、カントクとなら一緒に行けそうだ。 準備の早いカントクがチャチャッとキャノピーを広げて危なげなくテイクオフ!! ブランクを感じさせないどころか、あの難しいアンティアを自分のものにしている。 主任も綺麗に飛んで行く。 吉野川でテイクオフが一番安定しているのは主任かもしれない。 残念ながらオゲッタさんは珍しくテイクオフ失敗だ。
フラリーマンは、ヴァイパー2を広げる。 前回の反省でテイクオフ前に十分いエンジンを回してキャブレターのフロートレベルを安定させてから立ち上げに入る。 キャノピーが傾くことなく綺麗に上がってくれたのを感じる。 「ここでアクセル・オンだ!」 ドンピシャのタイミングでエンジンの回転が上がって何のストレスもなく足が地面から離れる。 今日は完璧だ♪
テイクオフ直後から揺れは大きく、高度100m付近では西に向かって時速15〜18kmしか出ない。 先に飛んだカントクから「4〜500mで結構揺れますが、そこを超えると時速30km以上出まぁ〜す。」と連絡が入る。 今日は高度500mが我慢どころのようだ。 高度400mでは確かに揺れも大きいが危険を感じる程では全くない。 それでも予想通り主任から「私には全然無理でぇ〜す。 エリア周辺飛んでいます!」と高度2〜300mから連絡が入る。 気流の悪い高度に入る前から既にビビっている。
高度400mでは速度はまだ20km/h以下なので、先に高度500mを超えたカントクはスピード違反のような速さで西に空の小さな点になるまで離れてしまう。 トリム/アクセルを前回にするよりも高度を稼ぐほうが前に進むと考えて上昇に専念する。 高度600mに達したところでトリムアクセル全開でカントクを追いかける。先週、ニードルを一段下げたおかげで中低速はバッチリだ。 フラリーマンが善入寺島の高圧線を飛んでいる時にカントクは阿波麻植大橋上空とのことだ。 更に高度を800mまで上げると逆に速度が落ちてくる。そこで高度を600mまで下げる。 カントクは阿波麻植大橋上空で旋回しながらフラリーマンを待ってくれている。 10分ほどでカントクに追いつき、カントクより低い高度から侵入し、ヴァイパー2越しにカントクのアンティアを撮影する。 テイクオフ前のカントクからの依頼の写真だ。

船窪ツツジ公園の高度は約1000m。 山の気流の影響を受けないように1500mまで上昇したい。 ほぼエンジンフルスロットルの8800rpmで上昇する。 ニードルを下げたにもかかわらずエンジン温度は180℃で安定してくれている。 更にアクセルを握ると以前は8900rpmだったMAXが、なんと9200rpmまで上がるではないか。 エンジン温度も185℃となかなかのものだ。 これでセッティングはバッチリだ。 さすがにフルスロットルはマズイだろうということでアクセルを戻して8800rpmで上昇を続ける。 1.2〜1.4m/sでグングン高度を稼ぐ。 ツツジ公園と高度が揃うと満開のツツジが稜線に一筋の紅をあしらったように光る。 更に高度を上げるとツツジ公園全体が姿を表し始める。 まずはツツジに近づきながら撮影に入る。 ツツジ公園の真上では高度は1500mまで達する。 ここから逆アングルからの撮影のためにツツジ公園を南西に大きく通りすぎる。 深く山に入ると雲早から高城山、剣山の稜線が手に届きそうに見える。 既に高度は1800mを超えている。 Uターンをすると逆光に映える真っ赤なツツジが目に飛び込んでくる。 バックには霞の底の吉野川がうっすらと流れている。 あ!赤いアンティアが見える。 カントクが遅れながらもツツジ公園手前まで飛んできている。 カントクを入れてビデオと写真を撮りまくる。 こんなチャンスはめったにない。 次に船窪に来られるのはいつになるか分からない。



カントクはそのまま吉野川に向かって帰って行くようだ。 つつじ公園の写真を十分撮影してからフラリーマンもカントクを追うことにする。 ところが高度1900m上空は北風が強く速度が18km/hしか出ない。 山の奥深くまで入り込んでいるのでこの速度は非常に心細い。 幸い気流は安定しているのでアクセルトリム全開で高度を下げながら吉野川を目指す。 カントクは再び瀬詰大橋からUターンしてフラリーマンを待ってくれている。 少し前からフラリーマンの無線のコネクターの断線でカントクの声は聞こえないが、無線がなくとも阿吽の呼吸でつるんでフライトが行えるカントクとフラリーマンだった。
(今日のフライト)
・05:34〜07:02 飛行時間01:28
・本日フライト時間 01:28
トータル661回 585時間32分