ついにそこまで来たか!?

"道具フェチもここまで来ると見事だろう。
クラブオリジナルワッペンをみんなのユニフォームに付けようとネットで刺しゅうやさんを調べて見積もりをお願いした。 すると直径7cm1色刺しゅう最低購入枚数30枚で1200円。 同じく5色で2000円との事だった。 しかし、考えてみると30枚x2000円で6万円だ!? これは高い。

そこで家庭用コンピューター刺しゅうミシンを調べてみるとジャガーのSP−3500と言う機種が刺しゅう用の糸を46個x200mとスチームアイロンが付いて71000円(送料込み)とあまり値段が変わらない。 「これはミシンを買うべきだ!」と深く考えることなくミシンを発注してしまった。

2月6日(水)に無事ミシンが到着。 早速PCにソフトをインストールしてミシンをUSBで接続した。 PCから見るとこのミシンは業務用と同じく「プリンタ」と認識される。 この「刺しゅうプリンタ」に対して専用ソフトで色分解を行い、針の打ち方を決定してデーターを送る形だ。

このミシンのコンセプトのすごいところは、汎用のPCに難しいことをさせているため、ミシン側のCPUは殆ど仕事の必要がない上、複雑なプログラムも不要だ。 つまりミシン側のコストを極端に下げることができる。 しかもPC側のソフトを更新することで機能アップが可能なのだ。 自動糸切り、自動糸変更がないため糸の切り替えが多少手間だが、価格を考えるとこの点は問題にもならない。 ちなみに家庭用の汎用刺しゅうソフトは7万円、そのソフトの動くミシンが10万円と言うからこのミシンの安さは飛び抜けている。
専用ソフトもなかなか良くできていて、PC上のベクトルフォントを刺しゅうパターンに簡単にしかも綺麗に変換することができる。 これで無数のフォントを持ったミシンになることができる。 また、絵柄も結構簡単で綺麗に減色、色分解を行うためフォトショップと併用するとかなり高度な刺しゅうパターンを作ることが可能だ。

ただ、この刺しゅうソフトは未熟なようで実際に使ってみると下記のような不都合に遭遇した。
 1)他のデザインからコピー&ペーストを行うと必ずソフトが固まる。
 2)刺しゅうの順番の最適化が自動でできていない。 手動でも難しい。
 3)手動で刺しゅう順番を最適化すると刺しゅう位置が3cmもずれてしまった、
 4)刺しゅうをセンターではなく上部ギリギリで行うと各色のブロックが5mmもずれる。
 5)糸と糸の切り替えの境目にある無駄な刺しゅうを取り除くとブロックが合体してしまう。

これらの不都合は取りあえず、コピー&ペーストを控えて刺しゅうの順番の最適化を行わずに真ん中で刺しゅうをすれば全て回避できる。 つまりデフォルトで使う分は問題がないようだ。

実際の刺しゅうは、色糸の交換、下糸の追加、糸切れの対応などを行う必要がありなかなかミシンのそばを離れられない。 ちなみに1枚目の写真のワッペンはサイズが直径8cmだが作成に約1時間かかった。

原価だが直径8cmの全面刺しゅうで約20,000針なので、20,000x5(mm)=100,000(mm)=100m。これが裏表で200m。  糸は200mで200円。 生地は16枚分で1200円なので75円。 合計275円となる。 ただし、失敗や中途半端な長さの下糸の廃棄など考えると400円と言うところだろう。 2000円のワッペンとの差額が1600円なので、6万円÷1600円=37枚で元が取れる。 しかも外注のワッペンは同じものが30枚と処分に困るほどの枚数だし、自作の場合は好きな枚数を作る事ができる上、一枚ずつメンバーのネーム入れなど、特別な仕様で作成が可能だ。
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