リフレックスについて

最近、リフレックス方式のキャノピーがパラモーターで人気だ。 キャノピーの後ろの部分を跳ね上げる事で相対的にねじり下がった形にしたキャノピーだ。 翼端ねじり下げによって翼端の迎角を小さくし翼端失速を防ぐ効果がある。 このことでキャノピーの翼端のつぶれを抑制する。 またキャノピー前方に重心位置をずらすことで、前被りを押さえピッチングが入りにくい工夫もしているそうだ。このようにリフレックスは翼端がつぶれにくく前被りが起きにくい極めて安定性のいい方式だ。
リフレックスが生まれた背景には、やはりコンペの存在がある。 コンペでは風の状況がよくない場合でも無理やり飛ばなければいけない場合が多い。 そんなときにリフレックスは最高の翼なのだ。
しかし当然利点の裏側には欠点もある。 まず立ち上げが重い。 無風や風の弱いときにテイクオフが非常に難しくなる。 次に浮きが悪い。 これはテイクオフスピードが速くなることを意味する。普通の機体よりも速く走らなければ浮かないのだ。 また、浮きが悪いことから当然普通のキャノピーよりも燃費も悪くなる。 最後にもっともこれが困るのだが、一度キャノピーがつぶれてしまうと復旧が非常に難しい。
一般的な初心者用のキャノピーは潰れても放っておけば勝手に元に戻る。 また翼端が1/3ほど潰れてもまっすぐに飛んでくれる。 少々のキャノピーの潰れは、安全性にはそれほど大きな問題はなくかえって「危険信号」として機能してくれるのだ。 「翼端が潰れたから風が悪い。 そろそろ帰ろう!」ってな具合だ。
ところが、安定性のいいリフレックスが潰れるということは、もうどうしようもないぐらい風が不安定ということだ。 その上つぶれからの復旧性能が低いとなれば、一度つぶれるとレスキューに頼るしかないかもしれない。 リフレックスはつぶれないから安心だという人がいるがとんでもない。 たとえて言えばリフレックスとは「強力な麻酔が効いていて、骨が折れても痛くない状態」に似ている。 死ぬほどの怪我をしても気が付かない機体なのだ。
結論を言うとコンペを目指さないのであれば、このリフレックスもまったく必要ない。リフレックスでなければ飛べない状況であれば、飛ばずにエリアでビールを飲んで宴会を行えばいいのだ。
それでもあなたは、これでも高価なリフレックス機を買いますか? (^_^;