ワルボロのキャブレター

カントクとおとうさんのエンジンの調子が悪い。 症状は全く同じ。
1)エンジン始動直後はフルスロットルで9500RPMまで回るが、数十秒で回転が落ち始める。
2)回転が落ち始めるとフルスロットルにするよりも、わずかにアクセルを戻した方が回転が上がる。
3)一度アイドリングに戻して数十秒置いておくと再びフルスロットルで9500RPMまで回る。しかし、やはり数十秒で回転が落ち始める。
4)プラグは真っ白で明らかに高回転域で燃料不足である事が解る。
まず最初にスローニードルの調整だ。 TOP80のキャブレターはWalbro W24というダイヤフラム形式のものだ。 スローニードルのデフォルトは通常思いっきり絞ったところから1回転のところだ。 一応、初期設定通りの調整位置ではあったが動的に調整を行ってみる。 
 1)まずアイドリングを少々高めにする
 2)スローニードルを右にまわして回転が落ち始める所を覚える
 3)今度は左にまわしてやはり回転が一始める所を覚える
 4)2)と3)の中間から1/8だけ開いた位置に合わせる
しかし全く症状は改善されない。
燃料搬送系のチェックだ。 まずは、燃料パイプとフィルターのチェック。 燃料タンクの空気取り入れ口から息を吹き込むと軽々と燃料が上がってくる。 燃料の搬送系には異常はなようだ。 次にキャブレター内のメッシュフィルターのチェック。 これも問題ない。 メッシュフィルターもゴミはなくきれいだし、どこか詰まった様子もない。 キャブレターを組み上げてエンジンを回してみたが症状は変わらない。
ここでもう一度キャブレターを分解して、キャブクリーナーで小さな穴に至るまでスプレーで噴射して掃除を行ってみる。 しかし症状は変わらない・・・。 試しに調子のよいフラリーマンのキャブをおとうさんのエンジンに取り付けたところ、絶好調で回ってくれる。 やはり原因はキャブレターだ。 しかし原因が全く解らない。 キャブ内部の小さな穴が詰まっている可能性もあるので来週超音波洗浄機でキャブレターを洗浄するしかもう手がないかな?と諦めていたところ、大魔王が降臨した!
「あ〜〜!それか、それやったらPAPさんがここ開けて、チョチョイと直してくれたぞ!」 よく話を聞いてみると、ダイヤフラムポンプの弁の爪(メタリングレバーというらしい)をわずかに上にあげることで調子が良くなるそうだ。 なるほど。 理にかなっている。 フルスロットルで燃料不足なのだからダイヤフラムポンプが原因である可能性は高い。 最初の爪の高さは、ほぼ(サーキットプレート)表面と同じだったので、えい!と思いっ切って2mmほど持ち上げてみる。 しかし、ちょっと思いっきりが良すぎたようで、プラグにガソリンが被ってビチャビチャになりエンジンが始動しない。 (^_^; プラグを焼いてもう一度チャレンジしようとしたら、小六さんが「だめだめ! プラグは焼かないように!」とのこと。 メーカーが禁止しているようだ。 知らんかった・・・。 という事でパーツクリーナーでガソリンを飛ばして、プラグを抜いた状態で数回リコイルを引っ張ってエンジン内を乾かすことにする。 そして次は弁の持ち上げを少し控えめに1mmほどに戻してみる。 今度はエンジンも無事始動。 さすがに2mmはやりすぎだったようだ。 そのままエンジンを担いでフルスロットルにしても全く回転は落ちない!! (^0^)/やったぁ! 大成功だ。 原因も分かってしまえば当たり前の様な事だが、なかなか答えを見つけるのは難しい。 そんなときに先人の知恵とは本当にありがたいものだ。 PAPさん、大魔王、ありがとうございました!
(追記)
メタリングレバーはサーキットプレート表面を0mmとして新品で1.4mmの高さが正解だそうだ。