90歳のおじいさん

ここから走り始めて1〜2分で峠に出る。 さきほど休憩したところが一番景色がよかったようだ。 峠を越えて川沿いに出ると段々道は良くなり、ダートでも軽快に走る事ができる。 初めに激しいダートを経験したおかげでこの程度の未舗装なら楽勝だ。 民家も現れ始め次第に人里に近付いてくる。 舗装路に入ってしばらく走ると橋を越えたところで国道らしき2車線の道に出る。 しかし、林道で方向感覚が狂いどちらに走ってよいのかが解らない。 という事で、道端でサンドイッチを食べながら乾杯をして地図を確認する。しばらく地図と観光案内の掲示板を見比べてやっと方向感覚が戻ってくる。 それにしても穏やかな景色だ。
向こうから杖をついたおじいさんがゆっくりこちらに歩いてくる。 カントクが「いいところですね」と声をかけると、こぼれるような笑顔でおじいさんが答えてくれる。「どこから来たんで?」「徳島です。」そんなたわいもない会話から、交流が深まっていく。 おじいさんの年齢は90歳! 戦後、自分の遺骨が先に家に帰ってきていた事を軽く笑い飛ばして話してくれる。 これも旅の醍醐味だ。 楽しい会話で心が和んだところで出発だ!

四万十川に沿って窪川を目指す。 花がいっぱいのきれいな景色の中、軽快に走っていると足に何かが当たって下に落ちる。 「何だ??」と思いバイクを止めて確認するが何も落とした様子はない。 しかしよく見てみると新兵器のガーミンのナビがない! 慌ててカントクと二人で道を引き返しナビを探すことになる。 派手な黄色のナビは、すぐに見つかりほっと一息♪ これからはナビにはスプリングラインを付けよう!