テンカラ・デビュー!

今日はフライフィッシングの名人イナさんと隣県の沢に入る。
朝7時に集合して車で目的の沢まで向かう。 途中フライのコツなどを聞きながらあっという間に3時間の行程が過ぎてしまう。
10時過ぎに現場に到着したが、路面が濡れている。 天気予報では今日は晴れで明日が雨だが、やはり山の天気はどうなるのか解らないものだ。 まずは雨が降っても大丈夫なようにビールを飲みながらカーサイドタープを広げる事にする。 イナさんはタープの大きさにびっくりしていた。 このサイズなら多少の雨でも焚き火ができると大喜びだ。 
宿泊の準備ができたところでまずは毛バリの振り方の練習だ。 これがめちゃくちゃ難しい。 ラインの重さを感じろとイナさんは言うが、そんな軽いものを初心者が竿を通して感じられるはずもない。30分ほど振ってから(ろくに振れていないが・・・)沢に入る事にする。 イナさんはフライでフラリーマンはテンカラだ。
沢は非常にきれいで上が開けているので竿を振りやすい。 普通に前に向いて振るとそこそこラインが伸びてくれるのだが、ポイントに落とそうとすると全く駄目だ。 ラインがちゃんと伸びきっていないので毛バリにテンションがかかっていない。 これでは魚が飛びついても合わせることはできない。
イナさんがフライを振っているのを見るとこれが素晴らしい。 竿の長さの2〜3倍のラインを投げ縄のようにきれいに飛ばしている。 しかも完全に伸びきっているのには感動だ。 自分がラインを振ってみて初めてイナさんの技術のすごさが解る。
フラリーマンに釣らせよう、という事でイナさんはフラリーマンの後に付いてきながら竿を振ってくれている。 1時間半ほどこんな調子で沢を登っていると後ろから「やったぁ!!」との叫び声が! さすがはイナさんだ。 フラリーマンが歩き荒らした後でも、きっちりポイントに毛バリを落として1匹ゲットだ。 お祝いに二人でビールで乾杯だ♪
その後、次第に振り方も整ってきたフラリーマンの毛バリにも魚がアタック! しかし、合わせが遅すぎて逃してしまう。 残念だったが魚の顔を見れただけでもかなり嬉しい。
1時過ぎにそろそろお昼にする。 今日のお昼はいつもの焼きそばUFOだ。 このUFOに前もって炒めてきたキャベツと肉を追加する。 軽くソースか振りかけて味を調えご馳走の出来上がり♪ 山の中で食べる焼きそばは最高だ! またビールも美味い。 ただ失敗したのはビールが足りない事だ。 もう2本余分に持ってくればよかったと反省だ。 昼食の最中で雨が降り始める。 小雨ではあるがしっかり濡れてしまうぐらいの雨だ。 木陰に入って昼食を取りながら、このまま進むか引き返すかの相談をする。 フラリーマンはアメゴの顔を見たのでそれで良しとは思ったがイナさんが「絶対に前に進もう!」と強く提案してくれたのでさらに釣り上がる事にする。
ここから再スタートで30分ほど経過したときに再び魚信が出る。 もちろん合わせる事が出来ず取り逃がしてしまう。 その数分後、三度(みたび)魚信があったがまたまた取り逃がす。 「くやしい〜〜〜!!」と叫んで座りこんでしまう。 しかし、錯覚かもしれないが何となく微かにコツが見えてきたような気がする。
支流が合流するところで振った時、きれいにラインが伸びてくれてそのまま水面にゆっくりと着水。 その瞬間バシャと魚影が光る。 ラインがきれいに伸びているのでそのまま軽く合わせるだけで魚が見事に掛かってくれる。 小ぶりな魚影が手元の網に着いた瞬間愕然とする。 なんとアメゴではない。 アブラハヤではないか。 イナさんは「やったな〜!! すごいすごい!!」と後ろから見てくれて大喜びだったが、「あかん、アブラッパや・・・。」の一言で大笑いに突入する。「こんなところでアブラッパ釣るのはアメゴ釣るより難しいぞぉ〜〜!! やるなぁ!(爆笑)」
いくらアメゴを釣るより難しくてもフラリーマンはアメゴの方がいい。(T_T) 気を取り戻してアブラッパをリリースして竿を振り始める。 少し釣り上がると目の前に大きな堰堤が見えてくる。 ここで魚信が出るが取り逃がす。 もう一度同じ淵のもう少し奥に毛バリを飛ばした瞬間、再び魚信が出る! 体が瞬間硬くなったが手首が軽く上を向いてきれいな魚影が水面から顔を出す。 今度は間違いない、アメゴの魚影だ。 大きさもそこそこある! 慌てて手を大きく上にあげ、タモを出して魚を受ける。 間違いない、今度こそアメゴだぁ!!!「やったぁ!! やったぞぉ〜〜!」大きく叫ぶとイナさんが下流から走ってくる。 「おお!! 今度こそ見事なアメゴ。 やったなぁ!」と声をかけてくれる。
興奮しているフラリーマンの写真をイナさんが撮ってくれる。 まだ胸がドキドキしている。 あとから聞くと実は、この淵が最後のポイントだったそうで、その先の堰堤は越える事ができないらしい。 もう、今日はあかんかもしれない、とイナさんが思っていたところの釣果だったので、本当にイナさんはうれしかったと話してくれた。
ここで、Uターンして先ほどの支流に入るが木が多い茂りフラリーマンでは竿を振る事ができない。 イナさんが無理を押して2〜3度竿を振ると、見事にもう一匹釣り上げる。 さすがだ。 魚の顔が見えるほどこの支流の魚影は濃い。 餌釣りなら何匹か釣れそうだが、今日はノルマ達成でテン場まで戻る事にする。
もちろん、テン場に戻ると早速ビールで乾杯! まだ明るいうちから夜中の12時まで、雨の中というのに宴会は続くのであった。