高度2200m

最近ふと思うことがあった。 どうしてフライトログを書いているんだろう?
今まで特にそんなことは考えず、単に書きたいことを書いていくだけだった。 飛び始めた頃は飛んだ感動を書いていたし、だんだんフライト技術に関することを書くようになってきた。 最近は、エリアでの出来事を誰かに詳しく伝えようとするようなログになっている。 これはこれでよいのかもしれない。 しかし単なる記録ではなく、自分が読み返しても楽しくて、初めての人が読んでもおもしろく、経験者にはためになる、そんなフライトログを残したいと偉そうな事を思う今日この頃だ。 と言うことで今日のフライトログはちょっといつもとは違う、かも?! (^_^;

土曜日は大好きな細坪さんのコンサート。 うちの奥さんとの数少ない接点で夫婦仲良く楽しんできた。 (^_^;  高知と言うことで無理矢理日帰りにし、4時半に起きてエリアに向かう。 今日は、寝太郎くんの遅すぎる初飛びのお祝いパティーで、食べたことのないような高級ビーフシチュー出てくるのだ!! (x_x)☆\(ーー; ビシ!!
5時過ぎにエリアに着くともうカントク、モンモンさん、あめごくんがスタンバっている。 さすがじゃ!! あめごくんは一発でテイクオフ。 基本に忠実で慎重なあめごくんらしい。 カントクは最初ラインが伸びすぎている草に絡んだようで失敗。 二度目はきれいに立ち上げたものの、朝露で濡れた草に足を滑らせて転倒し失敗。 (^_^; 残念! 最近、カントクは中級者のよく陥る「自信」と言う名のスランプに入ったのかもしれない。 一度、初心に戻って、チェックと練習を勧めたい。 実際、うちのベテランはほとんどこのスランプから抜け出せていない。 その後、モンモンさん、フラリーマンと危なげなくテイクオフして、カントクも三度目の正直できれいにテイクオフする。
かなり先に飛んだあめごくんを追いかけ上昇する。 今日の風はこの季節としては珍しく非常に安定しているようで、あめごくんから高度700mまで全く揺れなかったとの連絡が入っている。 あめごくんからの連絡によると高度300mまでは西風、ここからは東風に変わっているとのこと。
先行するモンモンさんとあめごくんを追いかけるには上昇して追い風に乗るのが一番のようなので、トリムアクセルをノーマルにしてエンジン95%で上昇する。 先週、エンジンの分解掃除を行ったが最高回転数はなぜか変わらず9100rpmだ。 今までの経験では分解掃除後は最高回転数が上がるのだが今回は不可思議だ。 まぁ、始動もOKだし、圧縮も戻り、アイドリングが安定したので問題ないだろう。
今日は霞がかかり景色はあまりよくない。 高度を上げながら、ふと今日は霞を抜けてみたいと思う。 阿波麻植大橋上空であめごくんとモンモンさんが旋回して待ってくれたおかげで何とか4機が合流する。 こうなるとビデオと写真の撮影しかない! 地表が霞んで見えるため、いつもよりも鮮やかにキャノピーが光る。 高度1000m以上を飛ぶと視界は広がり遮るものはなくなり広大な景色が目に飛び込んでくる。 そんな広大な景色の中ではキャノピーは小さな頼りない布きれのように感じる。 しかしその頼りない布きれがこのすばらしい景色をフラリーマンたちに見せてくれているのだと思うと不思議な気分だ。

岩津の橋上空で、高越山にあるツツジの群生地を見に行こうかと思いついたが、場所を調べておらず断念する。 こんなに大気が安定していれば見に行くことができただろう。 このツツジの群生地は何度かトライしたが、この花の咲く時期は風が非常に強く未だに行くことができないでいる。 今日は最高のチャンスだったので非常に残念だ。
穴吹まで4機で飛んだところでフラリーマンの高度は1500m。 他のメンバーは1200〜1300mだ。 先に飛んだあめごくんはここで燃料の残量が気になるのでエリアに戻ることにする。 まだまだ飛び足りないフラリーマンだが、一人で飛ぶのは寂しいのでみんなとエリアに帰ることにする。 あめごくんとカントクは高度を下げて地表に近い追い風でエリアに向かうが、フラリーマンはさらに高度を上げて上空の追い風でエリアに向かう事にする。 単に追い風を味方にするだけではなく、霞の上に出てみたかったのだ。 Uターンするといつものように景色が逆光で激変する。 これはこれですばらしい。 目の前に霞の水平線が見える。 もう少しで手が届きそうだ。 Top80には申し訳ないがほとんどフルスロットルでさらに上昇。 瀬詰大橋上空で2200mまで達する。 水蒸気の水平線はこの高度では眼下となり逆光という条件も合わさって海のように見える。 当然地表は霞んで本当に海の底にあるようだ。 空は水色から紫紺に変わり、雲は眩しいぐらいに真っ白で地表では絶対にみることができない表情を見せてくれる。 この感動を仲間と分かち合いたいと、1500mと言う中途半端な高度で飛んでいるモンモンさんに「ここまでおいでよ!」と連絡するがさすがについてきてくれない。 残念だ。
とは言うものの、ここまで上昇すると気温は7度まで下がり、さすがのフラリーマンも夏のつなぎでは寒すぎて長時間は耐えられない・・・。 善入寺島の上空でエンジンをストップして降下することにする。 エンジンを止めると後は風を切る音だけ。 これもまたすばらしい!! 大気の中に身を任せてエリアに向かう。 追い風のおかげで、なんとエリア上空では高度1500m!? 大気も安定しているので特に何もせずゆっくりと高度を下げていく。 このまったりとした時間が楽しい。
エリアでは副長さんがキャノピーを広げてテイクオフの準備をしている。 上から見ていると一度失敗して、二度目の準備を行ってるが、調度この2度目のテイクオフがフラリーマンのランディングに重なりそうだ。 新人さんのテイクオフを邪魔してはいけないと言うことでここでエンジンを再起動し、副長さんのテイクオフを待つことにする。 実際にエンジンの再起動の経験が何度もあるので慌てることもない。 恐いと言って、絶対にエンジンオフでランディングを行わないあめごくんには、緊急時の対応練習のために、この辺りの経験を今後は積んでもらわないといけないだろう。

(今日のフライト)
・06:27〜07:44 飛行時間01:17
・本日フライト時間 01:17
トータル506回 419時間19分