エンジンの分解整備

エンジンカバーを外したらいよいよシリンダーヘッドの取り外しだ。 初めにプラグを外す。 次にディープソケットレンチを用意して写真1の4つのナットを取り外す。 このとき、どれぐらいの力で緩むのかを必ず感覚的に覚えよう。 トルクレンチがない場合、組立の時にこの力加減を覚えておくことが必須だからだ。

シリンダーヘッドのナットを外したら写真2の矢印部分にマイナスドライバーを入れて軽くテコの原理で1〜2mm押し上げる。 次に反対側を同じように1〜2mm押し上げる。 シリンダーとシリンダーヘッドは直径3mm程度の位置決め用の鉄製の棒で連結されているので少しヘッドを持ち上げるのに力がいるが、無理に力を入れないように行おう。

この操作を何度か繰り返して、できるだけ斜めにならないようにゆっくり持ち上げていくようにすると写真3のようにシリンダーヘッドを外す事ができる。 シリンダーヘッドとシリンダーの間にはゴムのガスケットが入っているのでなくさないように注意しよう。 このゴムのガスケットは劣化を防ぐためにキャブクリーンを着けないようにする。 ただし、このガスケットは気持ち程度の物なので、なくても何ら問題はない。

(写真ではマフラーを外していないが、必ず先にマフラーを外しておこう。 シリンダーヘッドのナットを外した時点でシリンダーの固定は外れてしまう。 この後でマフラーを外そうとするとシリンダーが不用意に動いてしまい、エンジン本体とシリンダーの間にある紙状のガスケットが破れてしまう事もある。)