エンジンの分解整備

カーボンの除去前と除去後の写真だ。
組立は分解の逆のプロセスをたどればOKだ。 一番の注意点はヘッドの締め付けだ。まず、「右奥→左手前→左奥→右手前」のように、斜め向かいのナットを締めるよう順番を決める。 締め付け方も一気に締めてしまうのではなく何度かに分けてだんだん強く締めるようにする。 これは、ナットを締め付ける力が異なることによってヘッドが歪むのを防ぐためだ。 例えば、最終的に分解時に覚えた強さを5とすると、
・1の力で「右奥→左手前→左奥→右手前」
・2の力で「右奥→左手前→左奥→右手前」
・3の力で「右奥→左手前→左奥→右手前」
・4の力で「右奥→左手前→左奥→右手前」
・5の力で「右奥→左手前→左奥→右手前」
と言う具合だ。 人間の感覚とは非常に優秀でトルクレンチなしでもヘッドを歪ませることはない。

その他の注意点は以下の通りだ。
ピストンリングの上下を間違えない。
・ピストンとシリンダーに2サイクル用オイルを十分塗ってからピストンを挿入する。
・各部品、コンパウンドなどが残らないようにパーツ洗浄液で洗ってから組み上げる。
・マフラーと防震ゴムを固定するボルトには嫌気性のネジロックを塗る。
クラッチには絶対にオイルが付かないように注意する。

エンジンとシリンダーの間に入っている紙状のガスケットが破れた場合は、カレンダー用の紙で代用できる。 緊急時のための覚えておこう。